猫と戦争
ここ、世田谷はノラ猫の聖地なの?やたら沢山のノラ猫が生活している。ここの周辺では、近所のある一家が餌付けしていることが大きな原因。子猫も産まれてる始末。
そんな地域だからうちの庭でもたまにノラ猫を見かける。しかも夜はウッサイ!「ナ〜オ、ナ〜オ」と好き放題に。
ある日、家に帰ると一匹のノラが玄関の前でくつろいでた。白と黒の混ざったデブ猫(以下デブ)。もし?家に入れないんですけど。
「あんた、そこはあんたの家じゃないのよ!!」ピーコになりきる。
………。
猫に完全に無視された。ならば
「おすぎです!!」大きい声で言ってみた。
ビクっ!!
効果あり。でもまだ、どかない。
もうめんどくさいから軽い石を下投げで優し〜く投げてみる。石を投げる素振りだけでも大抵は逃げてくもんだけど。やれやれ、やっと家に入れ…
ぽふっ
………おい。
当たってどうする。しかも、どかない。むしろ、ちょっと怒ってる。ナ〜!とか言ってるし。ナ〜ってなんだよ、ナ〜って。どけよ!!
もう強行突破だ!!一歩づつ距離を詰める。一歩、また一歩…。さすがにデブも立ち上がる。でも、
どかない。
むしろ立ち上がって威嚇してる。そういや、『ノラ猫注意』って回覧板に書いてあるのをチラッと見た気が…。お前の事だな、デブ。よく見れば爪が長いし、鋭いし。下手に近づけばこっちがやられる!?ハァ〜。万策尽きちゃったよ?もう、なんなんだよコイツ〜!うきー!!
いや!待て…。こんな時、戦国大名ならどうする?かの有名な豊臣秀吉は毛利家を攻め滅ぼす際に水攻めをし、相手に兵糧が送れないようにすることで(和睦だけど)勝利を収めた…。
これだ!!
そう水攻めだ!作戦はこうだ。
①隣のじいちゃんちのホースを持ってくる。
②デブに水をかける。
秀吉とだいぶやり方は違うけど作戦の名前は一緒だろう。だぶん。
ホース準備完了。なんとか玄関に水が届くぐらいまでにホースを持ってくることができた。もう長さはいっぱいいっぱい。しかしもう逃げ場はないニャいぞぉ。
このホース、実は水の形を変えることができる優れもの。
まずは…タイプ「霧」で勝負!!
さ〜〜〜〜……
ん?なんか気持ちよさそうにしてるのは気のせい?だめだこりゃ…
続きまして、タイプ「シャワー」!!
じゃ〜〜〜……
ってうぉぉぉぉぉ!?こっち来たぁー!!…猫にビビる高校生男子。で、また元の位置に戻ってくし。
しかたねぇ…。コイツは使いたくなかったが、しょうがない…。
タイプ「ストレート」!!その名の通り、まっすぐに標的に向かっていく百発百中の優れもの!!その水圧もかなりの威力ときたもんだ!!
覚悟しぃやぁぁぁぁぁぁ!!!
いないし。
玄関びしょびしょ… 制服びちゃびちゃ…。
遠くでナ〜オと誰かが言った…。