THE 修羅バイト

今日もバイト(喫茶)してました。
特に目立った様子もなく、バイトの時間は過ぎていった…


ように思われたのだが…。



店の中で二人のおっさんが喧嘩を始めるまでは。



異常に気づいたのは皿を洗浄機に入れている時だった。
何やら、ある一部分だけ異様な雰囲気となっていた。
耳を澄ますと、


「何を言っているんだ!そんな規定はないじゃないか!!」

「いやいや、そういう問題じゃなくてですね!?」

という、控えめながらもお互い怒気を含んだ声が聞こえてきた。



(とうとうやっちゃったか・・・。)

その時思った。




問題なのは、このままでは他のお客様の迷惑になってしまう・・・



とかそういう問題ではない事だ。


もう少し詳しく言うならば、そういう次元ではないのだ。

問題なのは、おっさん二人が喧嘩している場所だ。


そこはカウンターの中なのだ。


・・・つまり、


喧嘩してるのは客でなく、従業員

しかも、一人は店長。もう一人はオーナー。店のトップ同士。

階級はオーナーの方が上。エリアオーナーと言った方がイメージしやすいか。

ええ。とにかく、やりやがったな・・と。

仲はハッキリ言って昔からあんま良くなかった。

なんとかそれでも最近はうまくいってたのですが。ねぇ・・・。



事の発端は分かりませんが、店の具体的な方針がくい違った様子。

うっさい洗浄機を回してても喧嘩の声が聞こえてたから、

たぶんカウンター近くの客にも聞こえてたな。

実際の口論は2〜3分でしたが、結構長く感じた。

オーナーがキレてしまい、従業員部屋に閉じこもってしまった。



かと思ったら!!



「俺、帰るわ。」


スタコラッサッサー



・・・




帰りやがった。

まだ店の営業時間が3時間近くあるにも関わらず。

あまりの出来事に「お、お疲れさまでした〜」としか言えず。

いつも「僕」「私」が一人称のオーナーが、

初めて「俺」と言った事で、怒りの度合いが知れた。

オーナーが出て行き、店の扉が閉まった瞬間、

「ったくあの野郎!!」

と店長。

店長、絶対その声お客に聞こえてますから。(いいのか?)



オーナーがぷりぷりと帰ってしばらく、店長はボ〜と一点だけを見て考え事をしていた。

いつもユーモアと覇気のオーラが漂っている店長はどこ行ったよ。

こんなにも頼りがいの無さそうな店長を見てると、なんだかこっちまで暗くなってしまう。


しかしバイトとは難儀なものでありまして〜、

バイトしてる人なら分かると思いますが、こういうトラブルがある日に限って・・・




客が多い!!

もう、来るわ、来るわ。

普段3人でやる仕事を2人でしなきゃなんないから、さぁ大変。

しかもやたらスパゲティ頼むしよー!ったくー!!

スパゲティの片付けとかメンドイんよ!!

店に2人しかいないので、

店長が「ホール重視カウンター補助型」

俺が「カウンター専門型」

まさに2人だけならではの超臨戦態勢のフォーメーション。



なんとか乗り切り、客の流れが衰えるも、

嵐が去ったカウンターを見てしばし呆然としてしまう。

その嵐の影響で片付けが進まない。

明日の食材の補給もままならない。

本来は2時間前に終わっている仕事すら終わっていない。

11時に営業終了だが、午前様コースを覚悟した瞬間でした。





その後、店長は「店長らしさ」を取り戻したがやっぱ強がってたかも。

ただでさえ人数がギリギリのこの店。

店長が辞めてしまったら、たぶんおしまいだな。

てか、

明日もたしか同じメンバーでバイト入ってるし!?


・・・最悪やで、ホンマ。


はぁ、マズゥィィで行きたくないわ!!


どうか無事二人が仲直り出来てますように・・・!!(奇跡を下さいお星様 ミ☆









ミ☆ (ムリ言うなよ…)   あ、やっぱ?