勝負

バイトで最近は店長と二人の時が多い。

そろそろ片付けが始まる午後10:30

私達は・・・勝負する。

チャンスは一度。

その一度に全てのプライドと知略をかける。

その勝負とは、






ジャンケン





「看板の片付け」をこれで決めるのだ。

一見、何の価値もないように思われたこの勝負。

しかも「看板の片付け」も5分あれば終わる仕事だ。

しかし…

どんなことであろうが、勝負であることには変わり無い。

なぜか私達は異様にその勝負に執念を燃やしている…。

「敗者」は己の知略とプライドを無さを露呈するに等しい。

絶対に負けられない、まさに漢の勝負なのだ。



なぜたかがジャンケンでこんなにも盛り上がってきたのかは定かでない。

だが感覚で言うならば、

試食コーナーで食べるウィンナーが

なぜかやたら美味しく感じる、あの感覚だ。



そして2勝2敗で迎えた今日。

またしても「勝負の時」が来るのだった。



ジャンケン。

それは戦術で勝負できるものではない。

運だけに身をまかせる、まさに究極に簡潔な勝負。



しかし!!

そこに心理を持ち込めば話は別だ。

なぜなら心理によって相手の手の内を読む事が

やはり確立論からは抜け出せないにしても、出来るからだ。

そう心理を持ち込む事は心理戦。つまり知略の勝負へ場を移す事に他ならない。

運よりも知略勝負を挑む事を決断した。

そこで私は心理戦に持ち込みしやすくするよう、ある作戦に出た。



「店長〜、今日はチョキを出そうかと思いま〜す!」


そう、古典的な手だが心理戦にしやすくする最も有効な手段だ。


チョキねぇ〜、じゃあパー出すよw」と店長。


どうやら相手も乗ってきたようだ。

さてここから、3つのカードのうちどれを選ぶかを決めるわけだが…



心理戦にとって重要な要素は相手の性格である。

店長の性格は

○基本的にはいい人。

○オレには絶対負けたくないと思っている。

○かなり明るい人。

○小悪魔的要素がある。

○心理戦であると分かって相手の裏をかこうとしてる。

○オレを少し単純なヤツだと思ってる。




では状況を整理してみよう。

「チョキ」を出すと宣言。

店長「パー」を出すと宣言。

そしてもう一つ重要なのは「小悪魔的要素」だ。

この性格から、一つの高い確立を見出せると考える。


店長が宣言通りパーを出して勝利した場合

おそらく店長は

「だからパーを出すって言ったのに〜ww」と満面の笑みで言うだろう。












と店長は私が考えると思っているだろう。

店長の性格はよく分かってるよw

しかも前回は店長が勝った為に、相手の手の内は見抜いるとたかをくくっているはずだ。



つまり店長は、

オレが「パーを出すって言ったのに〜ww」と店長に勝って言われない為に

「チョキ」「パー」「グー」以外)を出すと考えているはずだ。



逆に店長は、

オレに「だからチョキ出すって言ったじゃないッスか〜ww」と言われない為に

「チョキ」「グー」を出すはずだ。



・・・ではこの条件からオレは何を出せばいいか??



(下に行く前に考えてみてね♪)









































そう、


オレは「グー」を出せばいい。





そして、いざ勝負の時。




果たして!?!?




オレは勿論「グー」





そして店長は…

















「チョキ」




!!!!!!!!!


っしぁぁぁぁあああああ!!!!!!!



あ、店長がすんごい悔しそうw





あぁ!!すっげ〜快感!!w